掌編小説 「秘めやかなブルースター」(後編) by 秋津はな

あきつフルール

2017年09月08日 20:00

修善寺の花屋
「あきつフルール」の秋津ゆきみ です。

いつもはなちゃんブログをお読みいただきまして
ありがとうございます。

フリーペーパー「あかねマガジン」に掲載した
掌編小説の後編をご紹介します。
お時間ありましたら、読んでみてくださいね。

~~秘めやかな ブルースター~~(後編)





圭介・・・
そう心の中で叫んだ。
決して声にはならないように。

「ねえ、美登里、ブルースターの花言葉 教えてあげようか?」
「花言葉? 幸せ関連なわけでしょ。」
どうでもいいかのように、スイーツをあれこれとたいらげている美登里に
くるみは一方的に話し続けている。まるで、幸せそうな二人を見たくないかのように。
「ブルースターの花言葉はね、信じあう心・幸福な愛・星の精~それと 身を切る想い」
そう言って、一瞬言葉に詰まった。(何故、幸せの花なのに・・)
「身を切る想い」
それは 今のくるみの隠すことのできない本心だ。遠くの圭介が涙でぼやけて霞んできた。
何故、あんなに軽やかで幸せそうなんだろう?
何故・・・圭介の隣に私はいないのだろう?
何故、立ち去っていく人はあんなに美しいのだろう?
何故、残されたものは・・・。こんなにサミシイのだろう。

目の前のテーブルアレンジが目に留まった。白いバラとブルースターが綺麗だった。
爽やかで清純な花を見ながら、くるみが思いだすことはピッタリと隣にいたころの圭介だった。

好きな色・好きな洋服・好きな靴
シイタケとナスが嫌いなこと
二人で過ごした時間・・・。
胸の谷間のホクロ・・・。

ここに残されて佇んだままで、ずっと圭介を思い続ける。
秘めやかな恋心をブルースターに込めて。
次の恋をするまでは・・・。
     
                  (完)

最後までお読みいただいてありがとうございました。



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